東洋医学でいう「気血水」の「水」とは?あなたはどのタイプ?診断してみよう!

東洋医学では、人体の健康を維持するために重要な要素として「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが大切だと考えられています。
その中でも「水(すい)」は、体内の水分の巡りを指し、血液以外の体液(リンパ液、消化液、涙、唾液など)を含みます。適切に巡ることで、体は潤いを保ち、正常な機能を維持できます。ですが、この水の流れが滞ると、さまざまな不調が現れることがあります。
今回は、「水」の役割や不調の種類、改善方法について詳しく解説していきます!

東洋医学における「水」の役割とは?
水の役割は?
- 滋潤作用(じじゅんさよう)
- 代謝・排泄作用
- 体温調節
- 栄養運搬
1. 滋潤作用(じじゅんさよう) – 体を潤す
水は体のあらゆる部分を潤し、皮膚や粘膜を乾燥から守ります。また、関節の動きを滑らかにし、目や口の乾燥を防ぎます。
2. 代謝・排泄作用 – 余分な水分を排出
腎臓や膀胱を通じて不要な水分を尿として排泄し、体内の水分バランスを調整します。また、汗や呼吸によっても水分は排出されます。
3. 体温調節
汗をかくことで、体温を適切に調整し、熱がこもらないようにします。
4. 栄養運搬
血液とともに栄養やホルモンを運び、細胞に必要な成分を届けます。

気血水の「水」に問題があるときは?
水の巡りについて問題がある状態について説明していきます。

1. 水滞(すいたい)— 余分な水分が溜まる状態
水滞の特徴とは
水が体内で適切に代謝・排泄されず、むくみや冷えの原因になります。
こんな人は水滞(すいたい)かも
- むくみやすい(特に朝、顔や手足が腫れぼったい)
- 冷えやすい(特に下半身が冷えやすい)
- 体が重だるい、疲れやすい
- 関節がこわばる、痛む(湿気の影響を受けやすい)
- 下痢や軟便が多い
- めまいや頭痛(特に天気が悪い日)
主な原因とは
- 水分の摂りすぎ(冷たい飲み物・アルコール・ジュースなど)
- 腎機能の低下(水をうまく排泄できない)
- 運動不足(汗をかかないと水が滞る)
- 胃腸が弱い(消化機能が低下すると、水分代謝が悪くなる)
コレをして改善しよう!
- 適度に運動し、汗をかく(ウォーキング・ストレッチなど)
- 温かい飲み物をとる(生姜湯、ハーブティーなど)
- 体を温める食材を摂る(ネギ、生姜、ニンニク、シナモンなど)
2. 陰虚(いんきょ)— 体の潤いが不足する状態
陰虚の特徴とは?
水分が不足し、体が乾燥しやすくなる状態です。特に、長時間のストレスや過労が原因で起こることが多いです。
こんな人は陰虚(いんきょ)かも
- 肌や喉が乾燥しやすい
- ドライアイ、口の渇き
- 便秘(便が硬い)
- ほてりやすい、寝汗をかく
- 微熱が続く、疲れやすい
主な原因とは
- 睡眠不足(特に夜更かしが続くと「陰」が消耗する)
- 過度なダイエット(栄養不足により水分も不足する)
- ストレスや過労(体内の水分が消耗される)
コレをして改善方法しよう!
- 水分をしっかり摂る(温かいスープやお茶)
- 滋養のある食材を摂る(白木耳(しろきくらげ)、山芋、黒ゴマ、豆乳など)
- 睡眠をしっかりとる(夜更かしを避ける)

3. 痰湿(たんしつ)— 体に「余分な水」が溜まり、粘性が高まる状態
痰湿の特徴とは?
水が滞るだけでなく、粘り気のある「痰(たん)」が増えることで、体にさまざまな不調を引き起こします。
こんな人は痰湿(たんしつ)かも?
- お酒が好き。よくお酒を飲む。
- 脂っこいものや甘いものが好き。
- お腹が張って不快。
- 痺れや不快感などを感じる。
- お風呂に入るときバスタブにあまりつからない。
- ニキビ・吹き出物・痰などがよく出る。
- 手や足がしびれる。
- 舌のコケが厚い。
- 不快な汗をかく。
主な原因
- 脂っこい食事や甘いものの摂取
- 運動不足(汗をかかないと痰湿が溜まる)
- 胃腸の働きが弱い(食べたものをうまく消化・吸収できない)
改善方法
- 消化の良い食事を心がける(温かいスープ、おかゆなど)
- 脂っこいものや甘いものを控える
- 軽い運動を取り入れる(ウォーキング、ヨガなど)

まとめ
症状 | 水滞(すいたい) | 陰虚(いんきょ) | 痰湿(たんしつ) |
---|---|---|---|
特徴 | 余分な水が溜まる | 体が乾燥する | 粘性のある水が溜まる |
主な症状 | むくみ、冷え、だるさ | 乾燥、ほてり、口の渇き | 胃もたれ、めまい、鼻炎 |
主な原因 | 水分の摂りすぎ、運動不足 | 睡眠不足、栄養不足 | 脂っこい食事、運動不足 |
改善法 | 運動・温かい飲み物 | 水分補給・滋養食 | 軽い運動・消化の良い食事 |
「水」のバランスを整えることで、むくみや冷え、乾燥などの不調を改善し、健康的な体を保つことができます。
毎日の生活習慣を見直し、自分に合った養生法を取り入れてみてください!