40代の健康に気をつけることとは?中医学視点からの40代の過ごし方

ジョギングをしている二人

40代を迎えると、健康への関心が徐々に高まりますよね。だんだん若い頃と違い、体力の衰えや疲れやすさ、代謝の低下を感じることが多くなり、生活習慣や食事に気を使い始める人も増えるでしょう。そんな中、伝統的な東洋医学の一つである中医学には、健康維持のためのさまざまな知恵が詰まっています。今回は、40代の方が中医学的な視点から健康を保つために取り入れられる習慣や食材についてご紹介します!

40代になると陰陽バランスが徐々に崩れていく?

中医学では、健康の基本は体内の「陰」と「陽」のバランスが取れていることだと考えられています。40代になると、体の「陽」が衰え、「陰」が相対的に強くなる傾向があり、これが体力の低下や冷え、疲労感の原因になることがあります。陽気を補い、陰陽のバランスを整えるためには、次のような工夫が必要です。

温かい食事を心がけよう!

冷たい食べ物や飲み物は、体内の陽気を損ないやすいとされています。特に冷たい水や生野菜の摂取を控えた方が良いでしょう。実はサラダは体を冷やしてしまうので、出来れば野菜を摂る際には、温かいスープや煮込み料理や炒め物にした方が良いとされています。ショウガやニンニク、シナモンなどの体を温める食材も、日常の料理に加えると効果的です。

健康的に適度な運動をしよう!

運動不足は陽気を弱め、血流を滞らせる原因となります。ウォーキングやヨガ、太極拳など、無理なく続けられる運動を日常に取り入れることで、体のエネルギーの流れを良くし、陽気を補います

ヨガをしている女性
画像引用元:pixabay

40代になると気血の巡りが悪くなる?

中医学では、「気」と「血」が体内をスムーズに流れることで、健康が維持されると考えられています。特に40代以降は、血の流れが滞りやすくなるため、血行を促す習慣を身につけることが重要です。

血の滞りを良くする食材は何??

中医学では、血の流れを良くする(「活血化瘀(かっけつかお)」という)食材やハーブが多く用いられています。これらの食材は、血行を促進し、瘀血(血の滞り)を解消するのに役立つとされています。血流改善に効果的とされる代表的な食材を紹介していきます。

中医学では、血の流れを良くする(「活血化瘀(かっけつかお)」という)食材やハーブが多く用いられています。これらの食材は、血行を促進し、瘀血(血の滞り)を解消するのに役立つとされています。以下は、血流改善に効果的とされる代表的な食材です。

1. 黒豆

黒豆は、血を補い、血流を促進するとされています。特に、腎や肝に働きかけ、血を養う効果があります。

2. 生姜 (ショウガ)

生姜は、温性の食材で、体を温めることで血流を良くし、特に冷えによる血行不良に効果があります。

3. 当帰 (トウキ)

当帰は、血を補い、血行を良くする中薬の代表格です。特に女性の血行不良や月経不順などに用いられることが多いです。

4. 紅花 (コウカ)

紅花は、血行を促進し、瘀血を解消する効果があります。血の滞りを改善し、痛みや月経不順の緩和にも使われます。

5. 山査子 (サンザシ)

山査子は、消化を助け、血の流れを良くする効果があります。特に脂肪の消化を助け、動脈硬化の予防に役立つとされています。

6. 桂皮 (シナモン)

桂皮は、体を温め、血行を促進する作用があります。特に冷え性や血行不良の改善に有効です。

7. ニンニク

ニンニクは、温性の食材で、血液の循環を促進し、血管を拡張する効果があります。動脈硬化の予防にも役立ちます。

8. 黒キクラゲ

黒キクラゲは、血液を補い、血行を良くする作用があります。血液をサラサラにし、血管の健康を保つのに役立ちます。

9. ほうれん草

ほうれん草は、「養血」の効果があるとされ、貧血や血行不良の改善に役立つ食材です。

10. クコの実

クコの実は、血を補い、体の活力を高めるとされており、血行促進にも効果があると言われています。

マッサージやお灸も取り入れよう!

気血の流れを促すためには、セルフマッサージやツボ押し、お灸などの伝統的な療法が効果的です。特に足裏や手のひらには多くのツボが集まっているため、毎晩のリラックスタイムに足裏マッサージを行うことで、血行が良くなり、全身のバランスが整います

40代では特にここの五臓を養おう!

中医学では、体の健康は「五臓」と呼ばれる五つの内臓(肝、心、脾、肺、腎)のバランスが取れていることが大切だとされています。40代では特に、腎と脾のケアが重要です。

腎を強化する

腎は生命力の源とされ、特に加齢によってその機能が低下しやすいとされています。腎を補う食材として、黒い食べ物(黒ゴマ、黒豆、黒キクラゲなど)が良いとされています。また、腎を冷やさないよう、寒さを避け、腰や足元を温かく保つことが大切で

脾を助けよう!

脾は消化吸収の機能を担っており、40代になるとその働きが弱まりやすくなります。脾を助けるためには、消化に良い温かい食べ物を心がけることがポイントです。消化が重い脂っこいものや甘いものは控えめにし、煮込み料理や雑炊など、消化に優しい料理を積極的に摂るようにしましょう。

40代の健康促進ためのオススメのレシピを紹介するよ!

鍋
画像引用元:pixabay

黒豆と鶏肉の薬膳スープ

材料(4人分)

五臓の「腎」と「脾」を補いながら、血を補い、血流を促進するようなレシピとして、中医学の観点からバランスの取れた食材を選び、以下のようなスープをおすすめします。このレシピは、腎を養い、脾の働きを強化しながら、血を補い、血行を改善する効果が期待できます。

黒豆と鶏肉の薬膳スープ

材料(4人分)

  • 鶏もも肉(骨付き) 400g
    ※腎を補い、体を温める効果がある。
  • 黒豆 100g
    ※血を補い、腎を強化する。
  • 当帰(トウキ) 10g(参考までに)
    ※血を補い、血流を良くする。
  • 党参(トウジン) 10g(参考までに)
    ※脾を補い、気を補充する。
  • クコの実 20g
    ※血を養い、腎を補う。
  • 干しシイタケ 3枚
    ※腎を補い、気血を補う。
  • 生姜 1かけ
    ※体を温め、血行を促進する。
  • 水 1.5リットル
  • 塩 少々
  • 酒 大さじ2

作り方

  1. 黒豆の準備
    黒豆は一晩水に浸けておき、柔らかくします。
  2. 鶏肉の下ごしらえ
    鶏もも肉を一口大に切り、熱湯でさっと下茹でし、臭みを取り除きます。
  3. 材料の準備
    干しシイタケは水で戻し、薄切りにします。当帰、党参、クコの実は水で軽く洗い、汚れを落とします。
  4. スープの煮込み
    鍋に水を入れ、鶏肉、黒豆、当帰、党参、クコの実、干しシイタケ、生姜を入れ、中火で煮立たせます。煮立ったら弱火にして、1時間ほどゆっくり煮込みます。
  5. 仕上げ
    スープが煮込まれ、材料が柔らかくなったら、塩と酒で味を調えます。
  6. 盛り付け
    器にスープを注ぎ、具材を取り分けていただきます。

効果・効能

  • 腎を補う: 黒豆、鶏肉、クコの実、干しシイタケは、腎の機能を強化し、生命力や精力を補います。腎は五臓の中で生命エネルギーを管理する重要な役割を持つため、腎の働きをサポートする食材を使うことが健康維持に役立ちます。
  • 脾を補う: 党参や鶏肉は、脾を補い、消化吸収を助け、エネルギーを生み出す能力を高めます。脾の働きが良くなることで、体全体の気血の巡りが改善されます。
  • 血を補い血行を促進する: 当帰とクコの実、黒豆は血を養い、血行を促進する効果があります。特に当帰は中医学で「血の補薬」として知られ、女性の健康や血流の滞りを改善する際にしばしば使用されます。

心身の調和を保つ

中医学では、身体だけでなく、心の健康も重要な要素と考えられています。ストレスや不安は、気の流れを乱し、心身のバランスを崩す原因となります。

リラクゼーションを意識する
日々の忙しさの中で、心のリラックスを意識的に取り入れることが大切です。瞑想や深呼吸、趣味の時間を作るなど、自分をリセットする時間を確保することで、心の安定が図れます。また、40代は睡眠の質が低下しやすい年代でもあります。寝る前には、スマホやテレビを控え、ハーブティーなどでリラックスしてから眠る習慣をつけると、より質の高い睡眠が得られます。

感情のバランスを大切にする
中医学では、怒りや悲しみなどの強い感情が、五臓に悪影響を与えると考えられています。例えば、怒りは肝を傷つけ、悲しみは肺を弱めるとされています。感情をコントロールし、穏やかな心で過ごすことも、健康を保つためには欠かせない要素です。

まとめ

40代を迎え、健康を維持するためには、中医学的な視点からのアプローチが非常に役立ちます。陰陽のバランスを整え、気血の流れを促し、五臓をケアしながら、心身の調和を保つことが、長期的な健康維持に繋がります。忙しい日々の中でも、少しずつ中医学の知恵を取り入れて、心と体を大切にしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です