初めての薬膳には?「陰陽五行」を応用して体を整える

薬膳は、中医学の「陰陽五行説」を基に、体調や季節に応じた食材を選び、健康をサポートする食事法です。
「陰陽五行」の考え方を日常の食生活に取り入れることで、冷えや熱、ストレスや疲労など、現代人が抱えるさまざまな不調に対応できます。
今回は「体を温めるか冷やすか」という観点から、食材の特性を理解して選ぶ方法をご紹介します。
薬膳で大事な陰陽五行って?
陰陽説は、自然界や人体の現象を「陰」と「陽」という2つの要素に分けて考える哲学です。
陰陽って?
「冷たい」「静か」などは「陰」
「温かい」「活発」は「陽」
五行説は、木・火・土・金・水という5つの要素が互いに影響し合いながらバランスを保つという考え方です。
この2つを組み合わせた「陰陽五行説」を食事に応用することで、体調や季節に適した薬膳が作れるようになるんです。

薬膳での陰陽を応用してみよう!体を温めるか冷やすかの基本
食材には「温性」「熱性」「平性」「涼性」「寒性」といった性質があります。この性質を理解し、季節や体調に合わせて選ぶことで、体のバランスを整えることができると言われています。
1. 温性・熱性の食材(体を温める)
これらの食材は、体を温めて血液の循環を良くする作用があります。冷え性や寒い季節に適しています。
代表的な食材
- 温性: 生姜、ネギ、にんにく、シナモン、鶏肉、クルミ
- 熱性: 羊肉、唐辛子、山椒
おすすめ料理:
- 生姜入りのスープ
- 羊肉を使った鍋料理
2. 涼性・寒性の食材(体を冷やす)
涼性・寒性の食材は、体内の熱を冷まし、炎症を抑える効果があります。暑い季節や熱っぽい症状があるときに適しています。
代表的な食材
- 涼性: きゅうり、トマト、ほうれん草、セロリ、豆腐
- 寒性: スイカ、冬瓜、梨、緑茶
おすすめ料理:
- 冬瓜と豆腐のスープ
3. 平性の食材(どちらにも偏らない)
平性の食材は陰陽のバランスが取れており、体質や季節を問わず取り入れやすいのが特徴です。
代表的な食材
- 米、大豆、豚肉、ジャガイモ、人参
おすすめ料理:
- ご飯と野菜たっぷりの味噌汁
- 豚肉と人参の炒め物

陰陽五行と季節の関係
季節ごとに変化する自然環境に応じて、食材を選ぶことも薬膳の基本です。
春(肝を整える)
春は解毒・デトックスの季節。肝を助ける緑の野菜や山菜がおすすめです。
食材例: 小松菜、春菊、ふきのとう
夏(心を整える)
暑さで体力を消耗するため、涼性や寒性の食材で体を冷やしつつ潤いを与えましょう。
食材例: きゅうり、冬瓜、スイカ
秋(肺を整える)
乾燥しやすい季節。白い食材で潤いを補い、免疫力を高めていくことが大切です。
食材例: 梨、大根、山芋
冬(腎を整える)
寒さに備えて温性や熱性の食材で体を温め、エネルギーを蓄えましょう。
食材例: 生姜、羊肉、黒ゴマ
陰陽五行を応用したレシピ:陰陽鍋
材料(2人分):
- 温性: 生姜(薄切り5枚)、ネギ(2本)
- 寒性: 冬瓜(200g)、豆腐(1丁)
- 平性: 豚肉(200g)、しめじ(100g)
- 出汁(500ml)、醤油、塩、みりん(適量)
作り方:
- 冬瓜を一口大に切り、生姜とネギを鍋に入れて出汁とともに火にかける。
- 豚肉としめじを加え、軽く煮込む。
- 豆腐を加え、醤油、塩、みりんで味を整える。
温性と寒性のバランスが取れたこの鍋は、どの季節にも対応できる万能レシピです。
『東洋医学の知恵を日々の食卓に:薬膳の基本』(参考書籍)
薬日本堂(公式サイト):薬日本堂の薬膳情報
食材の性質や薬膳の考え方を詳しく紹介しています。

まとめ
薬膳を取り入れる際に、「陰陽」を意識して食材を選ぶことは、季節や体調に応じた健康的な生活を送る第一歩です。体を温める食材と冷やす食材の特徴を理解し、バランス良く組み合わせることで、自然と調和した食生活を楽しめます。
ぜひ、今日から薬膳の魅力を取り入れてみてください!