東洋医学でいう「気血水」の「血(けつ)」とは?血が足りない(血虚)と不調になる?

東洋医学では、人体の健康を維持するために 「気・血・水(き・けつ・すい)」 という概念があります。

その中でも 「血(けつ)」 は、 全身に栄養や酸素を届け、心と体を支える重要な要素 です。

東洋医学でいう「血」とは?

「心(しん)」や「肝(かん)」とも深く関わり、精神面や自律神経のバランスにも影響 します。

前回、気血水の気についてご紹介しましたが、今回は血についてご紹介していきます!

東洋医学における「血」の役割とは?

気血水のイラスト

「血」には、大きく5つの働きがあります。

作用名働きの内容
栄養作用(えいようさよう)体の隅々まで栄養を届ける
滋潤作用(じじゅんさよう)肌や髪に潤いを与える
養神作用(ようしんさよう)精神を安定させる
生殖・発育作用(せいしょく・はついくさよう)生理・妊娠・発育を支える
血の運行作用(けつのうんこうさよう)血の巡りをスムーズにする

💡 簡単に言えば、血は「体のエネルギー供給」と「心の安定」に大きく関わる ということです!


東洋医学における「気血水」の「血」に問題があるときは?

「血」が不足したり(血虚)、滞ったり(瘀血(おけつ)、熱を持ちすぎたり(血熱)すると、さまざまな不調が現れます。

東洋医学でいう「気血水」の「血(けつ)」、不調があるときは?


1️⃣ 血虚(けっきょ)— 血が不足している状態

🩸 血虚の特徴とは?

「血」を十分に作れない、または消耗しすぎてしまい、栄養や酸素が不足した状態。

🔍 主な症状

顔色が青白い・くすみやすい
目の疲れ・乾燥・視力低下
髪がパサつく・抜け毛が増える
爪が割れやすい・白っぽい
めまい・立ちくらみ・動悸
生理の量が少ない・周期が長い
不眠・夢をよく見る・精神不安

📌 主な原因

🔸 栄養不足(鉄分・タンパク質不足)
🔸 ストレス過多(自律神経の乱れ)
🔸 過労や睡眠不足
🔸 月経過多(出血量が多い)
🔸 消化機能の低下(栄養吸収が悪い)

🌿 改善方法

鉄分を多く含む食材を摂る(レバー、ほうれん草、黒ゴマ、ナツメ、クコの実)
胃腸に優しい食事を心がける(消化しやすいスープや煮物)
質の良い睡眠をとる(寝る前にリラックスする)
漢方薬(四物湯(しもつとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など)


2️⃣ 瘀血(おけつ)— 血の巡りが滞っている状態

🩸 瘀血の特徴とは?

「血」の流れが悪く、老廃物が溜まりやすくなっている状態。

🔍 主な症状

顔色が暗い・シミやくすみが目立つ
肩こり・頭痛・冷え性
生理痛がひどい・レバー状の塊が出る
唇の色が紫っぽい・舌に黒ずみがある
慢性的な痛みがある(関節痛・腰痛など)

📌 主な原因

🔸 運動不足(血の巡りが悪くなる)
🔸 ストレスや緊張(自律神経の乱れ)
🔸 冷え(血管が収縮し、血流が悪くなる)
🔸 脂っこいもの・甘いものの摂取過多

🌿 改善方法

血行を促す食材を摂る(ショウガ、ニンニク、シナモン、黒酢、ナス)
適度な運動をする(ヨガ、ストレッチ、ウォーキング)
体を温める習慣をつける(お風呂、カイロ)
漢方薬(桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)など)


3️⃣ 血熱(けつねつ)— 血が熱を持ちすぎている状態

🩸 血熱の特徴とは?

血液が熱を帯びすぎて、炎症や出血を引き起こす状態。

🔍 主な症状

顔が赤くほてる・目が充血しやすい
ニキビや吹き出物ができやすい
鼻血が出やすい・歯茎から出血する
生理の量が多く、鮮やかな赤色
イライラしやすい・怒りっぽい

📌 主な原因

🔸 辛いもの・油っこいものの食べ過ぎ
🔸 過度なストレスや怒り
🔸 夜更かし・睡眠不足

🌿 改善方法

体を冷やす食材を摂る(キュウリ、ゴーヤ、豆腐、緑茶)
リラックスする時間を作る(瞑想、アロマ)
漢方薬(黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)など)


まとめ

タイプ原因主な症状対策
血虚(けっきょ)血の不足めまい・乾燥肌・抜け毛栄養補給・休息
瘀血(おけつ)血の流れが滞るシミ・冷え・肩こり運動・温活
血熱(けつねつ)血が熱を持ちすぎるニキビ・鼻血・イライラ食事改善・ストレス管理

🩸 血の流れを整えることは、美容にも健康にもとても大切。
気・血・水」のバランスを意識して、健やかで輝く毎日を過ごしましょう✨


💡 血の不調、心当たりある?
「最近、めまいや抜け毛が気になる…」「冷えや肩こりがひどい…」そんな悩みがあるなら、食事や生活習慣を見直してみるチャンス!

📌 今日からできる簡単習慣
鉄分&栄養たっぷりの食事を意識する
ストレッチや軽い運動で血流を促す
お風呂や温かい飲み物で体を温める
ストレスを溜めず、リラックスする時間を作る

日々の小さな積み重ねで、内側からキレイになっていきましょう。

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