東洋医学でいう気血水の気って何?気が足りない(気虚)と病気になる?

東洋医学における「気血水」の「気」とは?

東洋医学では、人体の健康を維持する基本要素として 「気・血・水(き・けつ・すい)」 という概念があります。
「気(き)」は、生命エネルギーのようなもので、身体を動かし、内臓の働きを調整し、病気から身を守る重要な役割を果たします。

東洋医学における「気」の役割とは?

「気」は、5つの働きがあるんです!

  1. 推動作用(すいどうさよう)
    • 血液や水分の流れを促し、代謝を活発にする。
  2. 温煦作用(おんくさよう)
    • 体を温め、適切な体温を維持する。
  3. 防御作用(ぼうぎょさよう)
    • 免疫力を高め、病気を防ぐ。
  4. 固摂作用(こせつさよう)
    • 血液や汗が必要以上に漏れ出ないようにする。
  5. 気化作用(きかさよう)
    • 飲食物からエネルギーを作り出し、必要なものと不要なものを分ける。

東洋医学における「気血水」の「気」に問題があるときは?

「気」が不足したり(気虚)、滞ったり(気滞)、逆流したり(気逆)すると、さまざまな不調が現れるんです!

気に関する不調について

  • 気虚
  • 気滞

気虚(ききょ)— 気が不足している状態

気虚の特徴とは

「気」を十分に作れない、あるいは消耗しすぎてしまい、エネルギー不足の状態。

主な症状

  • 疲れやすい、倦怠感
  • 息切れしやすい
  • 風邪をひきやすい(免疫力の低下)
  • 食欲不振、消化不良
  • 手足の冷え
  • めまい、動悸

主な原因

  • 過労や睡眠不足
  • 栄養不足(気を生み出せない)
  • ストレス(消耗が激しくなる)
  • 加齢(気を作る力が低下する)

改善方法

  • 栄養のある食事(米、芋類、大豆、ナツメ、高麗人参、鶏肉など)
  • 規則正しい生活(十分な睡眠・適度な運動)
  • 漢方薬(補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など)

気滞(きたい)— 気の流れが滞っている状態

気滞の特徴とは

「気」は本来、体内をスムーズに巡っていますが、ストレスや生活習慣の乱れによって流れが悪く

主な症状

  • イライラしやすい、怒りっぽい
  • 喉や胸が詰まった感じ(梅核気:喉に何か詰まっているような感覚)
  • 胃の張りや膨満感(食後に胃が重い、ゲップが多い)
  • お腹が張って苦しい(特にストレス時)
  • 月経不順や生理痛(気の流れが悪いと血の巡りも悪くなる)

主な原因

  • 精神的ストレス(怒りや悩み)
  • 過度な緊張や不安
  • 長時間の座り仕事や運動不足
  • 油っこい食事や冷たいものの摂取

改善方法

  • リラックスする(深呼吸、趣味の時間を持つ)
  • 軽い運動をする(ウォーキングやストレッチ)
  • 食生活を改善する(温かいものや香りの良い食材を摂る:陳皮・生姜・紫蘇など)
  • 漢方薬(加味逍遥散(かみしょうようさん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)など)

気逆(きぎゃく)— 気が逆流している状態

気逆の特徴とは?

通常、気は 「上から下へ」、あるいは 「内から外へ」 流れるものですが、逆方向に流れてしまう状態が「気逆」です。

主な症状

  • 動悸・めまい(気が上に昇りすぎる)
  • のぼせ、顔のほてり(気が上に偏る)
  • 頭痛、目の充血(気が頭部に集中)
  • 咳、喘息(気が上向きに流れるため、咳が止まらない)
  • 吐き気、嘔吐(胃の気が逆流する)
  • しゃっくり(横隔膜の痙攣で気が急上昇する)

主な原因

  • ストレスや怒り(肝の気が上昇しやすくなる)
  • 暴飲暴食(胃の気が乱れ、吐き気やげっぷが増える)
  • コーヒーやアルコールの摂取過多(交感神経が過度に刺激される)

改善方法

  • リラックスを心がける(ストレスを減らす)
  • 温かい飲み物をとる(生姜湯、ハーブティーなど)
  • 深呼吸や軽いストレッチ(気の流れを整える)
  • 漢方薬(半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)など)

まとめ

気虚(ききょ)気滞(きたい)気逆(きぎゃく)
原因気が不足している気が滞っている気が逆流している
主な症状疲れやすい、冷え、免疫低下イライラ、胸や喉のつかえ、胃の張り動悸、めまい、咳、吐き気、のぼせ
主な原因過労、睡眠不足、栄養不足ストレス、緊張、運動不足怒り、暴飲暴食、コーヒーやアルコール過多
対策栄養補給、休息、漢方リラックス、運動、香りの良い食材深呼吸、温かい飲み物、漢方

「気」は、生命活動を支えるエネルギーであり、不足すると疲労や免疫力低下などの不調が現れます。健康を維持するためには、バランスの良い食事、適度な運動、十分な休息を心がけることが大切です。東洋医学では、「気」を整えることで、病気を未然に防ぎ、元気な体を作ることができると考えられています。

何か当てはまる症状があれば、ゆっくり養生していくのが、病気になる前の未病で防げるサインかもしれません!

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